ブリコルールの芸術家

Bunkamuraに立ち寄ると、「美の潮流」と名付けられた無料展示会が催されていました。展示に参加している人は、将来性のある優れた芸術家と見なされ、その才能を伸ばす為に助成金を与えられて、海外研修を受けた芸術家44名です。
宇宙的で非現実なものや、全く新しいものを作っているといういささか傲慢な自負から生まれた作品は、時に平凡に見えるのでした。それらの作品より、ぼくは既存のものを使って何が表現できるかといったことに視点を定めたものに興味があります。豊かで無理がなくて、その謙虚な考え方の中にこそ世界を見つめるヒントがあるのかもしれない。。周防絵美子さんのKANPAIという作品は、他に比べたら派手さがなくて地味とさえ言えるけれど、見る人の想像力を殺がない不思議な隙間を残した作品だと思いました。