ガラスの向こうの職人

あらかじめ送ってもらっていたメールを頼りに店に辿り着くと、ガラス張りの厨房から彼女の姿が見えました。ぼくは、少し緊張しながらガラス窓へそろそろと向います。
一心にクリームを塗る彼女に、ガラスを人差し指でコツコツ叩きますが、その時に見えた彼女の顔があまりに満足そうにほころんでいたので一旦ノックを止めてその表情にみとれていました。
作業がおわり、ケーキが冷蔵庫に仕舞われたので早速声を掛けます。
少し挨拶を交わし、ぼくはケーキを買って、近くの夜空へ。
スポンジがとっても美味しい。
以前プレゼントしてもらったシフォンケーキを思い出します。
人を幸せにする人はいる。
ぼくたちが気付かないだけかもしれません。