慶春

大晦日の夕方、スーパー正面の酒屋に集合との連絡を受け、ぼくは犬のバチャを連れて、文字通り急ぎ足で駆けつけました。諸々を買い込み自宅へ戻ります。お土産に頂いたスモークサーモンの美味しいこと。年越しそばまでまだ時間があったのでみんなでUNO。やっぱりカードゲームはいいねぇなどと言いながら最近スピードというゲームをやって何度やっても同点になる話をする。え、あり得ないよ、じゃ、ちょっとやってみて。というわけで、カードを分けて、ゲームが始まりました。開始早々、いや、それは駄目でしょっと突っ込みが頭上に刺さる。山積みされたカードの数字と同じ数字を置くことができるルールだと同点になってしまいます。除夜の鐘と共にそばをすすり新年を迎えました。


そして次の日は、合同のお誕生日会がありました。美味しい黒毛和牛のしゃぶしゃぶとお酒をたっぷり頂く。肉が口の中で溶ける!苺に囲まれた生クリームのヨークシャテリア・ミニケーキは最後のお楽しみです。カラフルな蝋燭を立てて部屋を暗くしたらピアノが聞こえてきました。お誕生日がふたり居るから歌もちゃんと二度歌います。大のおとな達が照れながら歌うハッピーバースデイ合唱だ。思い出すと本当に可愛くて、胸に仕舞うとその恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちでとんでもない贈り物を貰えたことに気が付きました。そしてその頃、犬のバチャも友人宅玄関でストーブ付き、という高待遇を受け、硬くなった肉球を暖めながらうたた寝していたのでした。