愛の囚人

このところライオンのドキュメンタリーにすっかり心を奪われて、
一日中画面に張り付いています。


路頭に迷うムフロンの(ような)赤ちゃんを見つけたメスライオン。
ソロソロと近づいていきます。
食べられる恐怖に身悶えながら逃げる赤ん坊。
しかし、ついてはくるものの一向に食べようとはしないので、ムフロンも複雑な表情。
しばらくするとライオンはさらに子供に接近し、ついに・・・!
ついにムフロンの顔を舐め始め、牙をむく!
と思いきや舐め続ける・・・そしてさらに背中も舐める。
ムフロンは困惑し、足元がよろめく。
その数時間後・・・
ムフロンは安心したのか、ライオンに擦り寄るようにして眠っていました。

ライオンは数日前に我が子を失ったショックから立ち直れずに、その代わりになるものを探していたのでした。
しかし、このような幸せも長くは続きません。
ちょっと目を離した隙に、ムフロンの子供は通りかかったオスライオンに襲われました。
切な過ぎる結末に文字通り絶句するメスライオン。


この不思議な行動は、勿論学者達の間でも議論されたようでした。
メスライオンは母なる愛情を持ってムフロンの世話をしていたという学者もいれば、
ムフロンは弱くしかも子供で、捕食類であるライオンに逆らうことが出来ないいわば囚人のような状況下にあったのだという意見もありました。



ぼくは、どちらにせよひどく傷付いた動物を見るのは初めてでした。