セミ

日中は暑いのでジョギングは日が落ちてから。気温が下がって運がよければ微風が心地良いので気に入っている。家の真横にある遊歩道はところどころに電燈が灯っていつもは比較的走りやすい。しかし最近は蝉の死骸がいたるところに落ちていて、それを避けながら下を向いて走らねばなりません。
電燈の青白い光に照らし出された蝉たち。でもなぜかぼくに重たい印象を与えない。
その身体はとても軽くて何かの死骸というよりは、魂を入れる為の仮の容器でしかないように見えるのです。その理屈を人間に置き換えて考えてみると、軽いような重たいような複雑な気持ちになりました。