ここに

僕に気付かれない様に、警戒心の強い目を光らせて、仲間同士で耳打ちをしていました。

アンティーク達は何十年もの間、数え切れないほどの愛情深き手の平をたどり、ここにたどり着きました。その姿はみな誇らし気です。どこかしら破損しているのに、それすら輝きの一部となっているのでした。

そして彼らを作った人を思った時、健やかな気持ちになりました。生き抜く上で本当は無くてもいいものを丹精込めて作る。そういうのがたまらなく好きです。とても元気が出るのです。